Health literacy online (日本語訳)

5.ユーザーを引きつけましょう

Health literacy online (日本語訳)

はじめに

セクション2では、ユーザーエンゲージメントのアイデアを紹介しました。エンゲージメントとは、行動を起こす動機付けとなる方法で、ユーザーを健康コンテンツに参加させるプロセスです。動画、音声、映像、対話機能などのマルチメディアを使用することは、ユーザーを引き付ける効果的な方法です。

例えば、ユーザーに次のような機会を提案することができます。

  • それを気に入ったユーザーの声を紹介する動画を見る
  • ユーザーが気にする変数を反映するように画像をカスタマイズする
  • 個々の目的に合わせた情報を得るために年齢や体重といった個人データを入力する

体裁やレイアウトを整えると、ユーザーエクスペリエンスが劇的に向上することを覚えておいてください。ユーザーにとって使いやすいフォーム、クイズ、ボタン、リンクやモバイルアプリを設計することで、マルチメディアのコンテンツとの相互利用がユーザーにとって容易になります。

ユーザーが、どこからでも便利にコンテンツにアクセスしたりシェアしたりできるようにしておくことも重要です。ウェブサイトにソーシャルメディアのボタンを加えることで、ユーザーに自身のオンラインネットワークでコンテンツをシェアしてもらうようにすることができます。


5.1. マルチメディアで情報をシェアしましょう

可能な場合は常に、複数のフォーマット―例えば、音声、動画、インタラクティブなグラフィクス、クイズ、スライドショーなど―で健康情報を提供すること。マルチメディアの利用により、リテラシーの低いユーザーに対しては特に、学びと関与を向上させることができます。


自分のコンテンツの支援となるようなメディアを選択する

どのフォーマットを使用するか決める前に、伝えようとしている情報について考えること。メディアのタイプに応じて、それぞれ独自の方法で学びを促進します。


例えば、次のような点を考慮しましょう

  • 画像を使用して、空間的な情報(地図など)を見せる
  • 文章(テキスト)を使用して、ユーザーに長期に渡って覚えておいてもらいたい情報を伝える
  • 音声を使用して、ユーザーに短い期間だけ覚えておいてもらいたい情報を伝える

利用するそれぞれのメディアは、文書を補うものであることを忘れないこと―装飾のためだけにメディアを使うと、ユーザーを混乱させることになります。


メディアをアクセスしやすいものにする

音声や動画を使用する際、代替テキストまたは文字起こしした文章を必ず付けましょう。そうすることで、すべてのユーザーにとってアクセスしやすいコンテンツとなります。

(Figure 5.1は省略しますが、説明を紹介しておきます)

NIH SeniorHealthは、人気の高い健康に関するトピックについての短いビデオクリップを提供しています。それぞれの動画には、字幕とヘルプ機能が付いています。


専用のYouTubeチャンネルに動画を投稿するのであれば、クローズドキャプションを利用できるようにしておきましょう。詳細はYouTubeの利用方法から見ることができます。


クイズについて

積極的な学びを促すためにクイズを利用しましょう。リテラシーの低いユーザーはクイズを好み、完成させようとします。それぞれの質問の後に、役立つフィードバックを提供します。

(Figure 5.2は省略しますが、説明を紹介しておきます)

Healthfinder.govのユーザビリティ試験では、リテラシーの低い参加者の多くが、ウェブサイトの子育てクイズを完了し、それを気に入ったと報告しました。それぞれの質問に答えた後、ユーザーには、なぜその回答が正しいか、あるいは間違っていたのかを説明する情報が示されます。


やってみよう

自分のウェブサイトのコンテンツをよく観察し、クイズとして置き換えることができるものは何かないかと考えてみましょう。クイズは特に、リテラシーの低いユーザーには人気があります。


5.2. 直感的に使えるインタラクティブなグラフィックやツールをデザインしましょう

インタラクティブなグラフィクスおよびツールでは、ユーザーが自分で選択し、その選択を反映した結果を見ることができます。いろいろなタイプの画像およびツール―決断の補助材料、情報画像、映像、グラフ、地図など―はインタラクティブとなり得ます。


一度に一つの選択肢を表示する

一度に2つ以上の選択をユーザーに求めることは避けましょう。これにより、ユーザーが手に負えないと感じることがなくなります。

(Figure 5.3は省略しますが、説明を紹介しておきます)

Healthcare.govでは、ユーザーが当該地域の医療費に関する情報を見る前に、一度に一つの質問をします。


視覚的な手がかりを使い、画像やツールが変わったことを示す

ユーザーは変化が見えないと、画像やツールが機能していないと思ってしまいます。87変化を示す視覚的な手がかりを使うこと―明確であるほど良いでしょう。


直感的に分かる操作にする

ユーザーは操作をすることで、画像やツールと相互作用をはかります。ユーザーになじみがある、良く使われる操作を含めること―例えば、ラジオボタン、ドロップダウンリスト、オートコンプリートの入力欄など。
簡単に、最初に戻ってやり直せるようにしましょう。

ユーザーが簡単に、選択したものを取り消して最初から始められるようにすること。複数のページで構成されたフォームやツールでは、「初めに戻る」ボタンを作ってもよいでしょう。


5.3. その人に合った情報を提供しましょう

ユーザーの個人的な興味や性格に合わせてコンテンツをカスタマイズするようユーザーを促しましょう。こうすることで、ユーザーによるコンテンツとの相互作用を促すことができます。

(Figure 5.4は省略しますが、説明を紹介しておきます)

Healthfinder.govのmyhealthfinderツールは、ユーザーが個人に合わせた提案を受け取れるよう、年齢、性別、妊娠の状態を入力するよう促しています。


情報をあまりにも多く求めることはしない

ユーザーは、個人に合わせた健康情報を求めていることは知られていますが、個人情報は多く入力したがりません。ユーザーが、自分の情報をいくつか入力するだけで済むインタラクティブなコンテンツを検討しましょう。

(Figure 5.5は省略しますが、説明を紹介しておきます)

myhealthfinderツールを利用する際、ユーザーは性別と年齢を入力するだけが良いでしょう。


あなたが尋ねた情報と、ユーザー個人に合わせた結果との間につながりを作ること。
言い換えると、ユーザーに、なぜその情報の入力が求められたのかが分かるようにするということです。これにより、ユーザーの限られたワーキングメモリを補うことができます。


"私は(年齢を入力することを)まったく気にしていません。そうすることで、他の年齢層ではなく、私にぴったり合った情報を得ることができます。"

(Figure 5.6は省略しますが、説明を紹介しておきます)

healthfinder.govのmyhealthfinderで得られた結果のページは、ユーザーが前の画面で入力した個人情報の概要を含んでいます。


5.4. ユーザーに使いやすいフォームとクイズを作成しましょう


フォームとクイズは、直感的に理解しやすく利用しやすいことが重要

ページ上で、使用方法を視覚的に分かりやすくします。
フォームに入力したりクイズに答えたりするのに必要な指示を見るために、ボタンやリンクをクリックするよう求めるのは避けましょう。

リテラシーの低いユーザーに典型的なリーディング・パス(読み方)に合わせるため、フィールドは縦方向の一覧とし、それぞれのフィールドの上部に入力の説明をつけるように表示します。入力説明がセクションの始めやフィールドの右側にあると、ユーザーはそれらを見落としてしまうからです。

(Figure 5.7は省略しますが、説明を紹介しておきます)

ユーザーはmyhealthfinderのフォームで、簡単に指示に従うことができます。

優良事例のシナリオとは、自分が作成するクイズやフォームが、初めから多くの指示を必要としない、直感的に理解しやすいものであることです。


フォーム上の情報を、意味のあるカテゴリーに分ける

ユーザーにとって意味が分かる方法で情報を分類すると、ユーザーに容易に理解してもらえるようになります。

(Figure 5.8は省略しますが、説明を紹介しておきます)

医療保険(Medicare)給付金を申請する場合、フォームは「申請者に関する情報」のように扱いやすいページにまとめられています。


長めのフォームやクイズを作る場合は、以下の2つのレイアウトの選択肢のうち1つを使いましょう。

  • ユーザーに一度に一つのフィールドを見せる
  • ユーザーがスクロールしてすべてのフィールドを見られるようにする

(Figure 5.9は省略しますが、説明を紹介しておきます)

このhealthfinder.govの子育てクイズでは、それぞれの質問を新しいページに表示します。


(Figure 5.10は省略しますが、説明を紹介しておきます)

このSocial Securityアプリの最初のページでは、誰のためにこのフォームを入力しているかの詳細を尋ねています。


フォーム上で要求する情報を最小限にとどめること

ユーザーが入力する情報は少なければ少ないほど良いでしょう。また、ユーザーに登録を求めることは避けるようにします。もし、登録ページが必要な場合は、要求する情報を出来るだけ少なくすること。

次のことに気を付けましょう

  • ログインと登録の違いを見分けられるようにする
  • ユーザー名をメールアドレスにする
  • 登録を求める場合は、ページを3つ以上の画面にならないようにし、その手がかりを示す(例、「3ページ中1ページ目」)
  • 質問と答えを示した最終結果のページを含める
  • 新しいページに修正が必要なフィールドを表示し、情報を修正するための方法を示す。

(Figure 5.11は省略しますが、説明を紹介しておきます)

ユーザーがすでにHealthcare.govにログインしている場合は、ユーザーの名前が自動でフォームに入力されるようになっていいます。


モバイル機器用のフォームを設計する

オンラインフォームは、その重要情報や要素が画面外で動作する場合、モバイルユーザーにとって特に厄介になり得ます。

ユーザーが、フォームを完成させるために必要な情報と、それに関連するフィールドを同じ画面で見られるようにすること。それができないと、ユーザーの記憶とコンテンツの理解に依存することになります―そして、リテラシーの低いユーザーはその時点で、何が求められているのかを読み理解することに困難を覚えることになるでしょう。


5.5. ソーシャルメディアでのシェアの方法を考えましょう

近年のデジタル時代では、人々はネットにつながり、モバイル機器を持っているというだけではない―ソーシャルメディアにもつながっています。

実際に、インターネットを利用する4人のうち3人の成人は、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、ピンタレスト、リンクトインといったソーシャルメディアプラットフォームを利用しています。そのため、あなたのコンテンツを、ユーザーにソーシャルメディアでシェアしてもらう機会を与えることが重要となります。

ユーザーの多くが、自分の電話からソーシャルメディアにアクセスすることに留意してください。


素早く簡単にシェアできるようにする

ウェブサイトにソーシャルメディアのボタンを埋め込むこと。サイトのヘッダーやフッターに固定のソーシャルメディアボタンを加え、ユーザーが簡単にあなたのソーシャルメディアページをフォローしたり「いいね」したりすることができるようにしましょう。

ソーシャルメディアのボタンはコンテンツの文章の下に入れること―これにより、ユーザーは情報を読んでから、シェアするかしないか判断することができます。サイトがごちゃごちゃしないよう、ソーシャルメディアのボタンの多用に気を付けること―ユーザーがシェアしたいと思われるページにのみ入れましょう。

(Figure 5.12は省略しますが、説明を紹介しておきます)

healthfinder.govは、サイトの左下に固定のソーシャルメディアボタンを入れています。


(Figure 5.13は省略しますが、説明を紹介しておきます)

ユーザーは動画シェアのアイコンをクリックし、どのソーシャルメディアにシェアするかを選択することができます。


まとめ

インタラクティブでマルチメディアな要素―動画、音声、画像、個人データに基づきカスタマイズした情報などは、ユーザーが積極的にあなたのコンテンツにアクセスするのに役立ちます。

簡単で直感的に分かりやすいインターフェースのフォーム、クイズ、画像やその他のマルチメディアコンテンツを設計し、ユーザーが手軽に印刷したりソーシャルメディアにシェアしたりすることができるようにしましょう。ユーザーがあなたのコンテンツにつながっていると感じれば、彼らはより積極的に行動を起こし、態度を変えるようになります。
インタラクティブな機能が直感的に分かりやすいかどうか、常にユーザーに対して試験をしましょう。

次のセクションでは、リテラシーの低いユーザーに対して、研究や行動に関する試験への参加を促すための優良事例を説明します。

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