毎日新聞コラム「健康を決める力」

第26回 ヘルスリテラシーを測る

毎日新聞コラム「健康を決める力」

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毎日新聞 2019年10月2日 東京朝刊掲載

聖路加国際大教授 中山和弘 著


健康を決める力

「健康を決める力」のサイト(https://www.healthliteracy.jp/)の
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 あなたのヘルスリテラシー(健康や医療の情報を入手、理解、評価して適切に意思決定できる力)を測ってみませんか。「健康を決める力」のサイトから質問に回答すると、得点と全国100人中の順位(同性、同年代での順位も)が出ます。順位は過去の全国調査を参考にしたものです。

 ヘルスリテラシーはどのように測るのでしょうか。世界中で測定ツールが開発されています。それらを集めた米国のサイトには、200近くが登録されています。なぜそれほど種類があるかと言うと、情報の理解力だけでも簡便なものから詳細に測るものまであり、理解力だけでなく評価したり意思決定したりする幅広い力を測るものまであるからです。糖尿病やがんといった病気別に測るものも作られていることもあります。

 最も簡便なものは「医者や薬局からもらう説明書やパンフレットなどを読むとき誰かに助けてもらうことはどのくらいありますか」という質問です。「いつも」「しばしば」「ときどき」「たまに」「ない」で回答し、「ない」以外の人はヘルスリテラシーが「不足」としています。

 多私たちが使っているのは、欧州で開発された47の質問に回答して幅広い力を測るものです。質問が多いですが、症状や病気への対応、疾病予防や健康増進のために必要なので、役立つと思います。

 例えば、「どの生活習慣(飲酒、食生活、運動など)が自分の健康に関係しているかを判断するのは」という質問に、「とても簡単」「やや簡単」「やや難しい」「とても難しい」で回答します。得点はより簡単と答えるほど高くなり、より難しいと答えるほど低くなります。

 得点は50点満点で、欧州8カ国の調査の平均点は34点、私たちが日本で行った調査の平均点は25点でした。ちなみに私は39点です。では「とても難しい」と答えた場合、本人の努力不足なのでしょうか。その背景には、子どもの頃からの学校教育や、大人になっても判断したり意思決定したりすることを学ぶ環境に恵まれなかったことがあると考えるべきでしょう。

 「健康を決める力」のサイトでは、ストレスなどの困難や課題に対処できる力であるSOC(首尾一貫感覚)の得点と順位も出ます。これも、周囲のサポートに恵まれたかが結果を左右するため、知識や情報、周囲からのサポートなど多様な「資源」の存在について気づきになると思います。

(次回は11月6日掲載)

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